オートンコーンの話


オートンコーンとは?
コーンは作品にかかる熱量を温度よりも的確に表します。また釉薬の原料と同じ成分で作られていますから、釉薬や絵具の最もふさわしい焼成を知るには温度でなくコーン何番で焼成するのが最適かを知ることが重要です。エクセルキルンのコントローラは焼成状況を常にフィードバックして判断しながらコントロールします。ベビーキルンのキルンシッターも同じ役割を機械的操作でおこないます。オートンコーンには目的、使用法に応じてジュニアコーン、スタンダード、セルフサポートの3種類があります。

オートンコーン(スタンダード)の使い方

●道具土を卵型に丸め(またはコーンホルダーを用い)その中に コーンを82度の角度で立てる(コーンはすでに82度に立つようにつくられているので床と並行に置けば良い)。基本的には3本を目的の焼成温度に見合ったコーン番号を真中に、両側に それより一段階低い番号のコーンと高い番号のコーンを立てる
●十分に粘土が乾いてから窯の中の適当な場所に置く。
●焼成が終わり窯がさめたら中のコーンの倒れ具合をみて、真中のコーンが45度に倒れていればその番号に適切な焼成だったことがわかります。3本とも全倒 であれば過焼成であり倒れ方が少なければ熱量が少なすぎたことを意味します。
●3本の倒れ方によってその釉薬にあった焼成方法やねらしの時間など、次回の焼成の参考にします。

●慣れてきたら必要なコーン番号を一つ置くだけでも窯の様子がわかるでしょう。
●例えばコーン7番で本焼をする時、たな板の上、中、下段と真中にそれぞれコーン7を置いて様子を見てみましょう。同じように、コントローラのコーン8番で焼成する場合は8番のオートンコーンを使います。窯の詰め方や焼成の参考になります。
●焼成のたびにコーンを置くことが望ましく、セルフサポートのコーンであれば準備の必要がなく便利です。
●温度のセンサーである熱電対は壁から4~5cmのところの温度をコントローラに伝えますのでそれ以外の場所の熱量を正確に捉えるには必ずコーンを置く必要があります。

オートンコーンの種類と使用目的

ジュニアコーン
キルンシッター用で、ベビーキルンに使用します。目的のコーン番号のコーンを一本キルンシッターにセットして、窯内の温度がそのコーン番号の熱量に達するとコーンが曲がり電源を止めます。窯内にたてた同番号が同時に倒れるように作られていますので、スタンダードコーンとは対照温度が異なります(ジュニアコーンは282℃/時を基準としておりスタンダードコーンより約14℃高めです。またコーン#02はありません)

スタンダード
コーンホルダーや粘土に82度の角度でたてて窯内に置き、焼成中または焼成後に、作品にかかった熱量を正確に判断する基準にします。窯の上部、下部、またたな板の中心部、エレメントに近い部分などに置いて、焼成後に実際の窯内の温度分布がどうであったか知ることができます。そのデータは次の焼成や窯詰めに重要な参考になります。また窯の状態を知る上でも必ずコーンを使用することが望ましいでしょう。

セルフサポート
スタンダードコーンを自立するようにデザインしたもの。粘土にたてたり角度をはかったりの手間がはぶけ、より正確な結果を知らせてくれます。

コ-ンは時間と温度との両方をファクタ-とするもので、パイロメ-タ-より正確に窯内の様子を伝えてくれます。例えばケ-キを焼く場合、400℃で15分焼いたもの175℃で45分焼いたものとでは結果が違ってくるのと同じ理屈です。ですから、絵具類はこのカタログに表示されている焼成温度を目安としてご自分の窯でテスト焼成をしてからお使いください。コ-ン番号は数字の前にゼロがつくものとつかないものとは全く温度が違いますので注意が必要です。

コ-ン番号/温度対照表

コ-ン番号には日本/ドイツで使用されるゼ-ゲル式、イギリスのスタッフォ-ドシャ、そしてアメリカのオ-トンコ-ンがあります。ヒュ-ス・テンで扱う釉薬、電気窯などはすべてオ-トンコ-ンによる表示です。エクセルキルンは、釉薬に表示されているコ-ン番号を入力すると、作品にかかるカロリ-をコントロ-ラが正確に計算して常に適格な焼成を実行してくれます。